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うつ病の治療③ ~あと一歩というところでの一進一退の日々(リフレックス2錠、約2カ月)~

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改善に向けた最初の一歩:イライラの軽減

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こんにちは 東大卒×元駐在員×うつ病 じんじょ です。

引き続き、妻を1人自宅に残して、学生以来の実家暮らしを継続中。抗うつ薬リフレックスが2錠に増えたことで、睡眠時間がさらに長くなりました。

毎日だいたいお昼ごろまで、まる半日を睡眠に費やしていました。

相変わらず微熱が続き、体が重く、気だるい日が続きましたが、ひとつ改善の方向に向かっている兆しが見受けられました。

イライラの発作がその予兆も含めて見られなくなったのです。その代わりに、なんとなく憂鬱、落ち込んで気持ちが塞ぎこむ日が増えてきました。

後日知ったのですが、うつ病の典型的な回復過程では、イライラが最初に軽減し、それに続いて徐々に不安や憂うつ感が改善していくそうです。私もまさしく典型的な経過を辿っているようでした。[1]

笠原嘉 精神神経学雑誌 100(12)より作成

症状が重い状態では、不安や憂うつを感じる思考力すら持ち合わせていなかったのかもしれません。とにかく、回復に向けて「やっと一歩目を踏み出すことができた」そう感じました。

それでも、まだこの頃は相変わらずソファに寝そべったまま、食事とトイレ以外はそこから一歩も動かない生活を続けていました。

身体が重く、頭がボーっとしたり。

ときどき仕事のことを思い出して、ため息をついたり。

なんとなく気持ちが塞いで鬱々と過ごしたり。

弟の婚約者が両親を尋ねて来ても、人と会いたくないと寝室に引きこもり。

眠りが浅く、たっぷり睡眠時間を取っているにも関わらず日中に眠気でまどろんだり。

夜中に悪夢にうなされて目を覚ましたり。

基本的には不調が続く中、「ときどき体調の良い日がある」といった様子で、一歩進んで二歩下がる一進一退の日々が続きました。

新しい種類の発作 はぁはぁ、どきどき、ぷるぷる、むかむか

そんな中で、今まで体験したことのない新しい種類の発作が起こりました。

夕食後、リビングで両親とテレビを観ていたのですが、『ためしてガッテン』で、私の職場と関連するテーマが特集されていました。ふと仕事のことを思い出し、徐々に気分が悪くなっていきました。心臓の音が大きく聞こえるようになり、息苦しい

慌てて風呂場に逃げ込んで、シャワーを浴びました。身体を洗っている間もまだ動悸が続いています。

お風呂から上がっても家族はまだ『ためしてガッテン』を見ています。胸糞の悪さが治まらず、むかむかします。父に言ってテレビのチャンネルを変えてもらいました。

気持ちを落ち着けるため、意識を集中しようとしますが徐々に症状が強まっていきます。呼吸が荒くなり、動悸が強まって体が痙攣し始めました。

はぁはぁ、どきどき、ぷるぷる、むかむか

イライラ発作とはまた別の症状です。

言葉を詰まらせながら家族に状況を説明。その後は気持ちを切り替えるため、テレビを好きなアニメ番組に変えてもらいました。時間が経つにつれて症状は徐々に治まっていきました。

うつ病は「良くなったり悪くなったり」を繰り返しながらゆっくりと回復する

2週間が経ち診察の日がやってきます。今回も父に付き添ってもらいました。

相変わらず、一進一退の状況でしたが、2週間の間にイライラの発作が一度も起こらず、その予兆もなかったことに一定の手ごたえを感じていました。先生にもその旨を伝え、改善の兆しがみられるということで、抗うつ薬リフレックス2錠のまま様子を見ることになりました。

うつ病の回復は、昨日の今日で明らかに良くなった、と実感が出来るようなものではなく、調子が良かったり悪かったりを繰り返しながら、ゆっくりと快方に向かっていくものです」と説明されました。

先生の言う通り、これまでの回復に向けた歩みは遅々としたものでしたが、それでも少しずつ快方に向かっているように感じました。

この後、2カ月近くにわたって薬の量は2錠に固定されたまま治療を続けることになります。この期間を通して、微熱が出る頻度が徐々に減っていきました。

ときおりですが、義務感ではなく自分から “何かをやりたい” と思うことも出てきました。

それでも、あともう一歩というところで足踏みをしている様子です。

雨戸の音が気になって明け方まで一睡も出来ない日が週に一度くらいの頻度でありました。翌日の気分は最悪です。

イライラの症状も完全に消失したわけではないようで、体調がイマイチな日は一日中うっすらとイライラした感情が続きました。世界が憎く、世の中全体に対して怒りを感じました。今ならそれっぽい歌詞が書けそうです。

逆に、非常に強い憂鬱感に襲われることもありました。

先生は、「義務感で何かをしようと思わなくて良い」と言うが、そんなことを言っていたら自分は永遠にこのままだと感じました。自分は仕事から逃げた弱虫で負け犬だ、生きる希望が持てない、と塞ぎ込むこともありました。

「抗うつ薬リフレックスをさらに増量しませんか?」

3週間が経ち、診察の日がやってきました。

先生から、「たしかに徐々に快方に向かってはいるようだが少し歩みが遅い気がする」と抗うつ薬リフレックスを3錠に増やすことを打診されました。

「2錠のままでは回復まで少し時間がかかるかもしれない」と言われました。通常は2錠が限度だが、症状が重かったり積極的に治療効果を狙っていきたいときは3錠まで増量することは可能だそうです。

「ただし増量は必須でありません。どうしたいですか?」

と私の意志を問われました。

最初の診察で2錠までと先生が言っていたことを思い出し、抗うつ薬への不安が頭をよぎりました。ひとまず2錠でキープをさせてもらうことになりました。

また、その日は先生に相談したいことがありました。「職場復帰を考えるタイミングについて」です。診断書の期限が近付いているにもかかわらず、未だに体調が芳しくないことに焦りを感じていたのだろうと思います。

「まだそのタイミングではないですね、仕事抜きでそれなりに普通の生活を送れるようになってからです。ではお大事に。」

と言われ、診察が終わりました。

質問をしたタイミングも良くなかったのかもしれませんが、私が欲していた答えを聞くことはできませんでした。一刀両断、私の質問をばっさり切り捨てられたように感じました。私は、先生の冷たい返答に大きなショックを受けてしまいました。

さて、先生の返事は本当に冷たいものだったのか、どう思いますか?「ごくごく普通の返事に聞こえる」と思われたそこのあなた、正解です。

ですが、これがうつ病を患っている人が陥ってしまう思考パターンなのだろうと思います。普通であれば何ともないようなことに対しても、自分に非があると感じてしまう究極のネガティブ思考です。とにかくなんでもかんでも傷つきやすい

今思い返すと、この頃の精神状態はまだまだ万全からは程遠い状態だったのでしょう。

「まだそのタイミングではないことは自分でも分かっている、ただ復職から逆算してどれくらいのタイミングでどういう準備を進めるべきか、尋ねたかっただけだったのに、、、」と心の中にわだかまりが残りました。

両親と一緒に帰宅してからも気持ちは塞ぎ込んだままです。

休職は延長することになりそうだ、、、情けない、、、憂鬱だ、、、自分は職場から逃げ出した弱虫、、、負け犬、、、とその日は一日中ネガティブな思考から抜け出すことができませんでした。

進展がなく足踏み・2度目の駐在に行かされる悪夢

まだまだ万全からは程遠いものの、この頃には調子の良い日は本を読むことが出来るようになっていました。

また、うつ病の発症前から取り組んでいた中小企業診断士の資格取得に向けた勉強を再開しました。

中小企業診断士挑戦のきっかけはこちら:

自由に生きるために ~中小企業診断士と『お金の大学』両学長@リベ大

それでも、やはり体調がすぐれない日は、体が重く、頭がぼーっとして、やる気が出ない。そんな日はもちろん勉強どころではありません。

ソファの上でじっとこの世の理を恨みながら過ごしました。

頻度は減ってきたものの、熱っぽいと思って体温を測るとだいたい微熱があります。

2度目の駐在に行かされる悪夢も見ました。うなされて、まだ日も登らない明け方に目を覚まし、不安からその後は寝付くことができませんでした。

寝不足からか、発作的ではないもののうっすらとしたイライラ感が治まりません。始終、ぷるぷると、少し体が痙攣しているような感覚もありました。

ゆっくりと回復に向かってはいるようには思いましたが、もう少し、あと一歩という感覚でした。

停滞期を脱するために薬の増量を決断

2週間が経ち診察日、この日は「3錠に増やすことを相談しよう」と思い病院に向かいました。

父も傍から見て同じように感じていたようです。「3錠に増やしてみたら?」と病院に行く前に言われました。

診察が始まり、「やはり増量を試してみてもよいかもしれません」と先生の方から再度打診をされました。

「悪くはなっていないが、かといって明らかに良くなっているとも言えない微妙な状態。焦る必要はないがこのままだと少し時間がかかってしまうかもしれない」

とのことでした。

私も治療が停滞していると感じていたことを伝え、相談の上、3錠に増量することになりました。

眠気などの副作用が強すぎるようであれば、自分の判断で2.5錠に減らしてもかまわないそうです。

ソファからほぼ動かない生活が続いてしまっていることに不安を感じ、「このまま怠惰な生活を送っていてよいのでしょうか?」と先生に尋ねると、「まだ症状として気になっていることがいろいろありそうなので焦る必要はありません。そのまま、気の向くままの生活を続けてもらって大丈夫ですよ」と言われました。

(続く)

[1] 笠原嘉(1998) 精神科医による言葉の処方(うつ病の場合) 精神神経学雑誌 100(12): 1074-1080

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