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うつ病の治療① ~抗うつ薬と休職での治療開始(リフレックス半錠、2週間)~

目次

抗うつ薬の服用・治療開始

じんじょ
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こんにちは 東大卒×元駐在員×うつ病 じんじょ です。

心療内科での診察でうつ病と診断が下り、抗うつ薬リフレックスを半錠処方され、休職して休養を取りながらの治療が始まりました。

リフレックス(一般名:ミルタザピン)は、NaSSAと呼ばれる種類のお薬で、脳内の神経伝達物質である ノルアドレナリン と セロトニン の働きを強めてくれます。[1]夜寝る前の1日1回の服用です。

セロトニンは、以前の記事【朝散歩のススメ 『ストレスフリー大全』樺沢紫苑】でも紹介したものですね。精神の状態を安定させる働きがあります。

主治医の先生曰く、抗うつ薬は一般的に効き目が出るまでに時間がかかるのですが、その中でもリフレックスは比較的早く効果が現れるお薬だそうです。

副作用として 眠気 や 食欲の増進 が知られているようですが、逆に不眠の症状にも効果が期待できるようです。期待する効果よりも副作用の方が先に現れるのも抗うつ薬の一般的な特徴とのことでした。

次回の診察は、1週間後で予約をしました。

「1週間では効果はまだ期待できないが、副作用がどの程度出るのかを確認しましょう」

と説明を受けました。

病院からの帰宅後、夕食を食べて薬を服用しました。疲労からか、薬の効果なのか、30分ほどすると強い眠気に襲われ、その日はそのまま床に就き泥のように眠りました。

一時的なうつ症状の軽減・あいかわらずのイライラ発作

翌朝は9時に目を覚ましましたが、副作用なのか覚醒後も強い眠気を感じました。その日以降も、眠いようなまどろむような気だるい日が続きます。

ただ、日中の眠気というマイナス面の一方で、不眠に対する確かな効果を感じられました。早朝(4時や5時)に目が覚めてしまうようなことが減り、9~10時まで寝られるようになりました。

また、診察前の一番ひどかった状態に比べて、体は軽くなり、思考もいくぶんクリアで、意識もはっきりしたように感じました。正式に診断が下り、休職が決まって職場から離れられることにホッとしたのかもしれません。

前日は、看護婦さんや先生の前で言葉が出てこずに吃ってしまっているような状態でしたが、頭の中のもやが少し晴れたようでゆっくりとでもそれなりに言葉を紡げるようになりました。

翌日のお昼は妻と一緒に外食をしました。

家から自転車に乗って5分ほどのレストランに出かけたのですが、わずかな距離の移動が非常に長く感じられ、強い疲労感を感じました。ふらふらする。でも、前日までの脳がむず痒いような気持ち悪さはあまり感じませんでした。

レストランから帰宅後はとにかく眠く、そのまま3時間ほど昼寝をしました。

その日の夜、例のイライラ発作が起きました。

妻も、夫がうつ病を発症してその付き添いやら看病やらで気をもみ、いっぱいいっぱいだったのでしょう。

「家事も仕事もやらなきゃいけないことがたくさんありすぎて、もうてんてこ舞いよ!」

と、妻はいら立ちを隠しませんでした。わたしはそんな妻の態度が耐え切れずに声を張り上げました。

「もうぅぅぅ!!あぁぁぁ!!」

妻に責められているような、すごく焦らされているような気持ちになり、それが怒りに転換されてしまったのだと思います。頭を抱えて歯を食いしばり、体を硬直させて怒りが静まるのを待ちます。

この頃は、常に感情のメーターがリミッターギリギリのところで推移しているような状態でした。

同時に、妻に迷惑をかけていることに対してとても申し訳なく感じました。

しばらくして落ち着いた後、妻から今後のことでどうするべきか、相談をされたのですが、もはや思考に割ける力はありませんでした。当時のわたしには、ささいな決断ですらすごく大きな労力が必要で、普通の生活を送るためのエネルギーすら枯渇しているようでした。

よっぽど仕事がイヤなのか

診察の翌々日の午前中、職場からのラインが届きました。

胸がぎゅーと締め付けられます。ソワソワする、居ても立っても居られない、落ち着かない。

よっぽど仕事がイヤなんだろうか。

体調を報告するように、との上司からの連絡でした。たかが一文二文の返信にどうしてこんなに時間がかかるのだろう?なんとか思考をまとめ、言葉を紡いで返事を返しました。

それ以降も、仕事のことが話題になるとなにがしかの不調に見舞われます。どうしても仕事の話は苦手なようでした。

シャワーを浴びながらふと仕事に復帰した後のことを考えてしまいます。「職場でのランチはこれから先独りぼっちか」などとネガティブな妄想を膨らませて、一度暗い気持ちになるとお風呂から上がった後もソワソワが治まりません。落ち着かない、居ても立っても居られない、この場からどこかに逃げ出したい気持ちが止まらない。

このソワソワは、どうやらイライラ発作と根っこの部分で繋がっているようです。

マジでイライラする5秒前。懸命に発作を抑え込もうとこらえます。そうこうするうちに、いつの間にか脳みそがショートしてそのまましばらくフリーズ。完全なる思考停止状態。無。しばらくして正気を取り戻し、落ち着いたころにまた自分のいない職場のことを考えてソワソワが始まり。。。

そんなスパイラルを繰り返していました。

大好きだったはずの本屋でソワソワ病が発症

1回目の診察の翌々日から次の診察まで、妻と一緒に実家に帰省しました。自宅まで両親が車で迎えに来てくれました。

私の病状を心配をしてくれていたようです。

そんなある日、自分にとって非常にショックな出来事がありました。

大好きだったはずの本屋で、例のソワソワ病が起こってしまったのです。

今までは平気で1時間でも長居できたはずの本屋が、とにかく落ち着かない大勢の文字が自分に向かって勢いよく迫ってくるような気がしました。

この場に長居はできない、居ても立っても居られずにわずかな時間で本屋を飛び出しました。

その日は少し体を動かしたら?と両親にすすめられ、妻と散歩に出かけていたのですが、結局、外出先で一歩も動けなくなってしまい両親に迎えに来てもらいました。

その後も、夜中にうなされる日が続いたり、熱っぽかったり、体が重かったり、眠いようなだるいような、と何かしらの不調を感じながら、治療をはじめて最初の1週間を過ごしました。

半錠でもう1週間様子見のあと1錠に増量

2回目の診察の日がやってきました。前回同様、やはり待合室では動悸がして、体がぷるぷると小刻みに震えてソワソワと落ち着かない気持ちになったものの、その程度はだいぶマシになっていました。

言葉も、滑らかに、とは行かなくとも前回ほどの不自由さはありません。吃りもなくなりました。

先生に、

  • 症状は前回の診察前が一番ひどく、この1週間はいくぶん軽減していたこと
  • おそらく薬の効果で睡眠時間が長くなったこと一方、日中も眠気を感じること

を伝えました。

先生から「現段階での眠気はこれまでの疲労が蓄積して出た可能性もある」と説明をされ、もう1週間、半錠で様子を見ることになりました。長期的にはリフレックスに 意欲の向上 や 精神の安定 効果を期待していて、徐々に増量をしていく予定だそうです。

診察を終えて妻と自宅に戻りました。それから一週間、状態はあまり変わらず、といった様子でした。

仕事のことを考えて憂鬱になったり。

身体が重く熱っぽさを感じたり。

少し調子が良いかと思って外出して、わずかな距離の移動で疲れ切ってしまったり。

スーパーのレジの人の対応にイライラしてしまったり。

心配して実家に連れ帰ろうとする両親に対してイライラ発作が発動し、声を荒げてしまったり。

睡眠時間はながくなったものの、どうにも眠りが浅かったり。

一週間が経ち3回目の診察の日がやってきました。経過を見て、当初の予定通り、薬が半錠から1錠に増量されました。

(続く)

[1] 日経メディカル 処方薬辞典

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